ヒュージ・リーダーズ《狼の友、トルシミール/Tolsimir, Friend to Wolves》

23/11/04追記: 

「パワーレベル: フレンドリー」に関する追記を行いましたが、この記事は基本的にフレンドリー制定前のものであることをご留意ください。

 

こんにちは。グスタフ・クリムトです。

普段は絵を描いたり配信したりしています。

 

今回は統率者戦の変種フォーマット、ヒュージ・リーダーズで使っている《狼の友、トルシミール》の解説記事になります。

▲ ヴォジャ、でっかいね

ヒュージ・リーダーズとは

当ブログでヒュージ・リーダーズを扱うのは初めてです。そこで、「ヒュージ・リーダーズって何?」という方に向けて作ったヒュージまるわかりスライドを用意しました。スライドを読むのも面倒だという人はこの節の最後にまとめがあるのでそちらをご覧ください。「ああ、ヒュージ・リーダーズね!もちろん知ってるよ!」という方は読み飛ばしていただいても構いません。

追記: このスライドはパワーレベルが制定される前に制作したものなので、情報が一部古くなっています。

まとめると、通常の統率者戦との違いは

  • 土地とマナ総量が5以上のカードしか採用できない
  • デッキの枚数は統率者と合わせて50枚
  • 初期ライフが25点
  • 統率者領域に《荒地》が4枚ある
  • 独自の禁止カードリストがある
  • 2つのパワーレベルの定義(後述)*1

となります。

※ 禁止カードリストなどの詳細はヒュージ・リーダーズ村をご覧ください。

統率者

 

《狼の友、トルシミール》は戦場に出たときに《エルフの友、ヴォジャ》という名前の狼を生成する能力と、戦場に出た自分の狼と相手クリーチャーを格闘させて3点のライフを得る能力を持っています。

ヒュージ・リーダーズは手数が限られておりクリーチャーが横並びしづらいことからブロッカーを用意できる面展開の能力と、25点しかないライフを継続的に回復させられる能力は強力で、格闘によって盤面に干渉するのも容易なことから粘り強い戦いができる統率者になっています。

加えて、彼はセレズニアカラーなのでマナに関する強力なサポートを受けることができます(後述)。

そんな《狼の友、トルシミール》は、こんな人にオススメの統率者です。

  • 狼が好きだ
  • 部族デッキを触ってみたい
  • 面で押していくのが好き
  • 盤面に干渉して積極的にゲームに参加したい
  • マナ加速が強力な緑に興味がある
  • 複雑なコンボの手順を覚えるのが苦手
  • あまり高価なカードは買いたくない

カード(特に統率者)は使っていると愛着が湧くものですが、そこで彼がどういったキャラクターなのか気になってもトルシミールはストーリーに登場しないか、資料が極端に少ないキャラクターなので彼にとってヴォジャが、ヴォジャにとって彼がどういった存在なのかはカード名以外から読み取ることはできませんし、ボーラスや戦慄衆との戦いでどういった活躍をしたのかも謎です。トルシミールを使う上での泣き所といえるかもしれません。

当記事では「ラヴニカ: ギルドの都」で登場した《トルシミール・ウルフブラッド》と区別する意味合いも込めて《狼の友、トルシミール》を以降「新トルシミール」と表記していきます。

デッキリスト

▲ 随時更新(パワーレベル: コロッサル制定に伴い《頂点壊滅獣》を追加)

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の部族デッキって聞いてたのにリストの先頭にいるんですけど……

それは、そうとして

リストの構造はたくさんの狼にセレズニアカラーの強力なカードを添えたもので、至ってシンプルです。

▲ 狼の皆さん

解説

《茨隠れの狼》

ヒュージ・リーダーズを遊んだことが無い方は驚かれたかもしれませんが、

何の能力のない《茨隠れの狼》が採用されています。

そう……ヒュージ・リーダーズはフレンチバニラやバニラも許容してくれる、器すらヒュージなフォーマットなのです。

5マナ域に他の狼が居なかった訳ではなく、能力を持った《幽体の狩り喚び》が「検討中」に追いやられています。

この違いはなんでしょうか?

これにはちゃんとした理由があって、対戦相手が置いた《隠れしウラブラスク》をトルシミールの格闘で倒すときにタフネス1の違いで上から倒せるかどうかが変わってくるからです。

他のカードも見ていきましょう。

《冠毛の陽馬》

リストの最初にいるやたらとゴージャスな見た目をした馬です。

生み出すトークンもですし、破壊不能の恩恵を与えるのもです。

しかしながら新トルシミールと非常に相性がよく、格闘ついでの3点回復からガッチガチの馬を生産してくれます。それはどういうフレーバーなんですか?よく分かりません。

しかも、それだけでは終わりません。

皆さんもお気づきかもしれませんが、このデッキには他にも馬がいます。

▲ 馬の皆さん

多相を持つ彼らも当然なのでついでに破壊不能の恩恵を受けます。

しかし、これらの多相クリーチャーは《旗印》があると相手のクリーチャーも問答無用でバフしてしまうのでそれも覚えておきましょう。

余談ですが、多相クリーチャーは《ある日のことごと》の登場によって注目されています。

《ウルフィーの銀心》

結魂という少し珍しい能力を持つカード。クリーチャー同士でペアを組ませることでその双方が友情パワーでウオオ~~~!!になる能力です。《ウルフィーの銀心》の場合は双方が友情パワーで+4/+4修整。新トルシミール下では5マナ8/8で格闘しに行けます。うおっ、でっけ……

《吠え霊》

ほぼ無条件で一度だけ蘇る能力を持った狼。

新トルシミール下ではまず4/2で格闘し、死亡した場合は5/3として蘇って更に格闘をすることができるので夢のニ面除去が実現できます。実質《バタバタミイラ》。

急襲は対クリーチャー速攻、みたいな能力

《活力》

新トルシミールとの相性に優れる1枚。受けたダメージを軽減してその分の+1/+1カウンターに変換してしまうというユニークな能力を持っています。格闘は双方にダメージが与えられるので《活力》が活躍します。以前の試合では9/9の《指輪の王、サウロン》に大量の狼トークンを突っ込ませて一方的に倒した挙げ句パワー11の狼トークンを量産する活躍を見せました。

《武勇の場の執政官》

セレズニアが誇る激強カードその1。ソーサリーを宣言して《生ける屍》や《無謀な挑戦》などの全体除去を止めることが多いです。《マナ噴出》や《セルヴァラの暴走》などのゲームを決めてしまうソーサリーもついでに止めてしまうので容赦がない。何故か飛行、警戒、トランプル、5/6と本体もやたらと強いので理不尽。

 

▲ 要警戒ソーサリーの例

《ベナリアの建国者、トルステン》

セレズニアが誇る激強カードその2。めちゃくちゃなリソース回復能力を備えた偉い人。出たときにもう仕事をしているはずなのに何故か除去されても兵士が7体残る偉い人。7への執着がすごい偉い人。

▲ 兵士は《旗印》や《ソンバーワルドの獣使い》とのシナジー

《魂の嵐》

白が誇る最強のカード。今回は採用していませんが《遺跡の天使》などとも相性が良いです。出てきたクリーチャーはスピリットになるので《旗印》があれば縮んだサイズも取り戻せる。もしかして《旗印》とかいうカード強すぎ?

▲ 北斗有情破顔拳

《群れに餌》

新トルシミールのオリカ。

誘発に辿り着けると大量トークン+大量格闘+大量回復で魔王即位。

しかもエンチャントなので何度も使える。

先ほど紹介した《ウルフィーの銀心》と相性が良く、組になっているクリーチャーを生け贄にすると+4/+4修整されたタフネスを参照してトークンが出てくる上に、新しく出てきたトークンともまた組になって友情パワーでウオオ~~~!!になれる。

《クローサの境界》

セレズニアカラーのマナ基盤を支える3枚のカードを紹介。

まずは《クローサの境界》。ヒュージではお馴染みの《無限地帯》と似ていますが、サーチしてくる《森》と《平地》は基本でなくても良いので《寺院の庭》と《地平線の梢》を持ってくることができます。強力。

《裂け岩の扉》

Riftstone Portal / 裂け岩の扉
土地
(T):(◇)を加える。
裂け岩の扉があなたの墓地にあるかぎり、あなたがコントロールする土地は「(T):(緑)か(白)を加える。」を持つ。

続いて、ヒュージならではのカードですが《裂け岩の扉》。最近知って「あまりにもヒュージ用すぎる」と感動したカードです。上手くディスカードできると《荒地》からも色マナが出るようになるすごいカードです。本体は無色土地ではありますが、アンタップインで手札からプレイしても申し分ない。

《ミラーリの目覚め》

最後は《ミラーリの目覚め》。面で戦う新トルシミールの能力とも噛み合った全体修整と土地から追加でマナが貰えるようになるエンチャント。早期設置に成功すると大幅にテンポ・アドバンテージを稼ぐことができます。《徴用》で強奪されるとヤバい。

▲ 泣けるヒュージ・リーダーズ

初心者向け

冒頭でこんなことを言いました。

そんな《狼の友、トルシミール》は、こんな人にオススメの統率者です。

  • 狼が好きだ
  • 部族デッキを触ってみたい
  • 面で押していくのが好き
  • 盤面に干渉して積極的にゲームに参加したい
  • マナ加速が強力な緑に興味がある
  • 複雑なコンボの手順を覚えるのが苦手
  • あまり高価なカードは買いたくない

 

  • あまり高価なカードは買いたくない

 

めちゃくちゃ高い土地入っとるやんけ!!!!!!!!!

すいません。

でも、代わりのカードを提案します。

《溺墓の寺院》

誰が言ったか、ヒュージ界のソルリング(太陽の指輪)の異名を持つカードです。

  1. 《溺墓の寺院》を含む8枚の手札があるとき、あえて統率者領域から《荒地》をプレイ。
  2. クリンナップ・ステップに手札が溢れるので《溺墓の寺院》を捨てる。
  3. 《溺墓の寺院》の能力を起動して墓地から戦場に戻す。

この手順を踏むことで1マナ伸ばすことができます。

新トルシミールはマナ・シンボルを3つ要求してくるため《溺墓の寺院》の採用を諦めたのですが、金銭的な都合で《古えの墳墓》や《宝石の洞窟》が採用できない場合は検討に値するカードです。

《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》

朽ち果てた《荒地》すらも《森》にしてしまうカードです。もちろん《荒地》以外からの土地からも緑マナが出るようになります。新トルシミールは緑ダブルを要求してくるため、このカードがあるとキャストが安定します。相手の《荒地》も《森》にしてしまいますが、正直そこまでナイーヴになる必要はありません。

《草茂る農地》

いわゆるスローランド。ヒュージ・リーダーズではほぼアンタップインの土地として機能します。《豆の木のワーム》を使うときは土地をプレイする順番に注意。

フレンドリー

2023年11月1日、ヒュージ・リーダーズの世界に「パワーレベル: フレンドリー」なるものが登場しました。

簡単に説明すると、デッキパワーの乖離によるマッチングの事故を防止するためのもので、対処が困難なカードを中心に構成された「コロッサル・リスト」と呼ばれる追加の禁止リストが用意されています。

 

▲ 「コロッサル・リスト」に含まれるカードの例

そして、なんとその中には……

めちゃくちゃ高い土地!!!!!!

この2枚が禁止されていることでヒュージ・リーダーズに参入しやすくなっています。

なんかもっと高い土地がリストに入っていますが、それは知りません。

あと、こないだ気合入れて買ったばかりの《頂点壊滅獣》がリスト入りしています。

この記事で紹介した新トルシミールのデッキリストはコロッサル・リストに抵触するカードが少なかったので、いくつかのカードを差し替えたフレンドリー・バージョンも紹介したいと思います。

▲ 随時更新

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最後に

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

《狼の友、トルシミール》はプレイしていて非常に楽しい統率者です。

皆さんも狼で友達をボコボコにしましょう。

アオーン

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*1:23/11/01に制定されたのでスライドでは触れられていません